シンシン（周星馳）は毎日ツアー客を鴨にしては詐欺を働き、小銭を稼いでいた。そんな彼にしびれを切らした恋人は他の男性の元へ・・・。すっかり落ち込むシンシン。そんな時、ひょんなことからモウ（毛舜[竹/均]）と出会う。センスはないが借金地獄に追われているため詐欺師まがいの行動に出るモウと一緒にいたシンシンは、高利貸（張燿揚）にぐるだと勘違いされて追われるはめに・・・。すっかり困ったシンシンは、四苦八苦しながらも大金持ちの家に泥棒に入る方法を考える。

一方、同じ高利貸に借金している發仔（午馬）も脅され、いよいよ窮地に追い込まれていた。そして金持ちの豪邸に泥棒に入ろうと決めたのだが、偶然にも狙いをつけた家はシンシンと同じだった。發仔は、主人が留守の間に忍び込み、訪れる予定になっていた富商を騙そうと計画し、先に豪邸に乗り込んだ。そこに富商としてやってきたのがシンシン。ジャッキーという名の富商に名乗り、主人を騙そうとやってきたのだ。お互い相手が本物と信じ、なんとか騙そうと四苦八苦。そしてアマチュア詐欺師のモウまでがまぎれこみ、大混乱となる。

豪華メンバーが出演しているわりにはいまいち乗り切れない作品である。なんといっても脚本が未熟。プロットはわりと面白そうなのだが、それを盛り上げるひとつひとつのネタが乏しいために盛り上がりきれないのだ。これだけのメンバーが出演しているのに非常にもったいない結果である。監督は李力持で、この作品以降、周星馳とのコンビ作品が多くなる。李力持監督は脚本も担当しているようだ・・・（ちなみに最近けんか別れしたとかしないとか）。注目すべきは、何といっても監製を担当している李修賢と麥嘉。李修賢は周星馳と何度か共演しているが、麥嘉は今回初めての共演となる。彼の代表作ともいえる「悪漢探偵」シリーズはコメディ映画ファンにはぜひともみてほしい作品である。このシリーズでは許冠傑と麥嘉との掛け合いが何とも楽しい。ちなみに麥嘉の方は周星馳の先輩役として出演している。

午馬との駆け引きが一番のみどころとなるのだが、いまいち乗り切れないのがおしい。しかし、毛舜[竹/均]の体を張った演技は相変わらず楽しめるし、最後に打ちのめされる張燿揚もまた笑える。張燿揚のファンでもある私には複雑な心境だが、なんとなく笑われるキャラクターなのでまぁ良しとして大笑いしておこう。兄弟役で元華も登場しているが、それほどアクションを披露していなかったのがもったいない。確かこの人、アクションの達人で、武術指導などしていたはず。