幼い頃から判事になることを夢見ていた包青天（周星馳）は、正当な判事になることを目指しながらもお金のために不正を繰り返すようになっていた。当然町の住民からは嫌われ、外を歩けばごみを投げつけられるような存在にまでおちぶれてしまっていた。そんなある日、町でたまたま見掛けた小蓮（張敏）にほろりと恋心を抱いたが、彼女は威家のお嫁に行ってしまう。それから３ヶ月後、威家で殺人事件が起こった。小蓮と数人の目撃者の話では、父親に提督を持つ悪人（倪星）が一家を殺したというのだが、提督の権限のために皆が買収され、小蓮は拷問され、包青天までもが判事の資格を奪われてしまった。

すっかり生きる気力を失ってしまった小蓮を見て、何とかして包青天は彼女の無実を証明しようと、判事の資格を失った後も有為（呉孟達）と共に事件の真相を追った。彼女の無実がわかると、なんとかそれを証明しようと、遊郭の使用人として働きながら必殺技を身につけていく。そして必殺技を身につけた包青天は自分の価値と信念をかけ、裁判にのぞんだ！

おそらく周星馳映画の中でも一番残酷なシーンが満載の作品かも、と思うほどかなり残酷！武侠小説などで見受けられる「落ち方」が映像化されているようで、とにかく見ていてつらいシーンが多々あり。一応コメディタッチに作られてはいるものの、シビアなメッセージが込められている。どの時代にもお金に目が眩み、悪事を働く人はやっぱりいるもので、お金や権力を悪用する人々を描いた作品であることは一目見て明らか。この作品が見やすかった理由の一つとして、テーマがはっきりしていることがあげられるかもしれない。

それにしても相変わらず張敏はきれい！この作品ではこてんぱんにやられているのでかなり見ているのがつらいが、それでも美しさを保っているのはすばらしい。いまいちブレイクしなかった彼女だが、なぜブレイクしなかったのか不思議なくらいだ。ゲストで黄一山などが出演しており、なかなか粋な作品。また周星馳の両親役で登場するおじいちゃんもまた笑える存在！それほどローカルなネタもなく、ジョークはわりと万人向けかもしれない。ラストは・・・笑ってしまった！(笑)