Forbidden City Cop
008皇帝ミッション (1996)
原題:: 大内密偵零零發
英題:: Forbidden City Cop
キャスト:: 周星馳, 劉嘉玲, 羅家英, 劉以達
スタッフ:: 周星馳, 谷徳昭 (導演)
ストーリー

明国の皇帝(劉以達)に仕える秘密警護役、リンリン・ファ(周星馳)。カンフーも出来ず、発明に精を出すファは皇帝に見放させれ、ついには紫禁城の秘密警護役をくびになる。しかしその後ファは婦人科医となり、妻のカーリン(劉嘉玲)と仲むつまじく暮らしていた。もちろん、彼らの生活の中には常に発明がある。扇風機から怪しげなベッドまで発明してしまうからさすがは発明王。そんなある日、紫禁城から弟分がやってくる。ファチャン(羅家英)がどうしてもファの助けがほしいというのだ。久しぶりに紫禁城へ戻ったファは、金国で開かれる医学学会の話を小耳に挟む。なんでも「天外飛仙」の解剖会があるとか。明国の医者が大勢招待されており、それを聞きつけた皇帝も金国に向かうというのだ。医者としてなんとしても学会に参加したいファは、招待されていないのに妻を連れて金国へと向かう。しかしそれは明を侵略しようとする金国の罠だったのだ・・・。

まんまと罠にかかってしまったファは、危うく皇帝を殺してしまうところだった。しかし数々のオリジナル発明品で何とか「夢相神功」を操る敵を倒すことで、再び皇帝に認められ、秘密警護役に復活することになる。ある日、売春宿に金国から新しい美女がやってきたという情報を聞きつけた皇帝は、さっそくファに調査を依頼する。どんなものかと売春宿へと向かったファとファチャンだったが、そこで知り合ったカム・チョウは極上の美人。妻がいながら一目ぼれしそうになるファ。何とか理性を保とうとこらえるファの元に、カム・チョウの誘惑の魔の手が忍び寄る。そうとも知らずに罠にはまるファだが・・・。

感想

記念すべき私の周星馳映画デビュー作。初めてみた時は映画自体の楽しさと、周星馳という始めてみる俳優の魅力だけで満足になっていたのだが、いろいろネタを調べてみるとより楽しめる作品だ。それにしても冒頭のシーンからしてやってくれる味の深い作品である。この映画を見る前に古龍(台湾生まれの武侠小説家)の小説を読むと楽しめる。というのも、古龍の小説の登場人物である陸小鳳などが冒頭のエピソードに登場している。彼らは古龍小説の中でも人気のあるキャラクターで、中華圏では人気があるらしい。そんな陸小鳳らを捕まえようと周星馳演じる008(ゼロゼロパー)が登場。天外飛仙というカンフー秘本を賄賂としてもらっているが、そんな賄賂は彼には通じず、逮捕しようとするのが面白い。またそれに続くタイトルロールは007のパクリであり、これまたよく出来ているのだ。笑えるギャグはどちらかというと前半に集中しており、後半からは話が一転。最後にはつながるのだが、観客としては急に方向性が変わるため「え?」と思うかもしれない。。。

どちらかというと90年前期の作品が人気のある周星馳だが、後期の作品では群を抜いたギャグセンス、音楽、そして脚本となっている。監督はビンセント・コックと周星馳が共同で手がけているが、これだけの作品を取れるのであれば監督としての腕も確かだといえる。また下世話なネタになるが、古装片に身を包む周星馳がまたかわいい〜!本当に古装片が似合っている。それにしてもこの作品はもともと「0061 北京より愛を込めて」の続編として作られた作品だそうだが、なぜ古装片になったかは疑問。(笑) まぁ面白ければいいけど。

周星馳ファンにもオススメしたい映画だが、劉嘉玲ファンにもぜひ見てほしい。この作品で彼らは夫婦を演じているのだが、本当に幸せいっぱいの仲良し夫婦を演じている。演じているだけなのか、それとも本当に楽しんでいるのかはわからないが、もし演じているだけだとしたら2人ともかなりの演技力だと思うのは私だけだろうか。劉嘉玲といえば、周星馳の親友であるトニー・レオンの彼女だが、もしかしたらプライベートでもこんな風に仲がいいのかもしれない。(でも周星馳はプライベートではかなりおとなしい正確だったはず・・・。)星爺は現在も独身だが、妻にしたい人はどんな人かと聞かれて、この映画のような夫婦生活が送れる人と答えていることもあり、この映画の中での生活がまさに彼の結婚理想でもある。

小道具の使い方、セリフ、ギャグなどどれをとってもハズレのないこの作品は彼の映画を見てみたい人にとってもいいデビュー作となるはずだ。未見の人はぜひとも一度見ていただきたい。


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