仕事を退職してガーデニングが趣味となったパパは、とんだ家族に囲まれて毎日てんてこまい。レオン（黄百鳴）は仕事に忙しく、妻の賢淑をかまう暇がなかなかない。フェイ（呉鎭宇）は勉強熱心だが恋愛にはついていない無垢な少年。そしてクン（周星馳）は恋人を次々と変えるプレイボーイ。そんなある日、クンの誕生日に上げた宝くじが大当たり！すっかりお金持ちとなるはずだったクンだが、宝くじを持っていることは内緒にしておき、お金を一人占めしようとした。しかし世の中そんなに甘くはない。(笑) たちの悪いチンピラにつかまってしまい、ギャンブルで負けた代金を払えとしつこく追ってくる。そしてクンは自動車事故にあってしまい・・・。

おなじみ「家有[喜喜]事」シリーズ。ある一家のお話なので誰もが主人公といった感じ。またストーリーも大きな流れは特になく、日常の生活をユーモラスに描いたため、盛りあがりというものはちょっと欠けるかもしれない。しかし、今までに見た周星馳映画の中で一番親近感を持てる作品なのは、おそらく星仔の演技が非常に自然だからであろう。何気なくベッドに横たわったり、食卓で家族と会話を交わす。また、女の子に電話をかけるシーンや向きになってゲームに熱中するシーンなど、まるで普段の彼を見ているようでファンとしてはとてもうれしい作品だったりする。

劇中、黄百鳴が妻の浮気を心配する際に「マディソン郡の橋」というマテリアルを使っているが、やはりこの映画、世界中で浮気映画としてとらえられているようだ。御存知の通り、この映画の主演は私の大好きな俳優、クリント・イーストウッドである。クリント・イーストウッドと周星馳は、実は間接的だが「逃學威龍3龍過鶏年」で共演！？している。

映画自体、派手さはないがほどよくまとまっており、最近のシンチー映画にしてはコメディ要素もそれほどなく、見やすい映画。この手の作品にも出るのだから、ぜひともシリアスな作品にも挑戦してほしいところだが・・・。