売れない中年役者（周星馳）はエキストラの仕事をこなしながらも、日々演技の勉強に励んでいる努力家。しかし演技は、裏目に出てしまうせいかなかなかうまくいかない。スタジオに行っても煙たがられるだけで、大きな仕事は一向に来ない・・・。そんなある日、人生の転機がやってくる。水商売の女の子達に演技指導をしていた周星馳だが、そのうちの一人、ピウピウ（張柏芝）と恋に落ちる。最初はピウピウもこの売れない役者のことを信用していなかったが、次第に心を開いていく。。。

不思議な出会いがあったのもつかの間、仕事の方でも転機がやってくる。名のないエキストラとしての仕事ぶりに注目する大型女優(莫文蔚)。彼を何とかブレイクさせようするうちに、女優は彼に対して恋心を抱きはじめる。さりげなく２人の距離が近づき、それを遠くからみつめるピウピウ。そして各々が自分たちの愛に気づくのだ・・・。

いつものコメディ調を期待してみたので、ちょっと拍子抜けしてしまったのは確かだが、本作品はコメディというよりも、ロマンスものであることを強調しておきたい。いつもの周星馳とは違った、シリアスな彼をみることができる。映画のトピック的にも、もしかすると実体験を盛り込んだストーリーとなっているかも。そもそも主人公の売れない俳優というのが、周星馳と重なる部分があるように感じるのは私だけだろうか。もともとコメディ役者でもなかった周星馳が、コメディ作品でブレイクしてしまったため、今となってはすっかりコメディ役者としてしか見てもらえなくなってしまった。日々演技の研究をしているこの映画の主人公と周星馳がなんとなく重なって見える。また、見どころの一つでもあるのが、張柏芝との共演である。最近新人育成に力を入れているかのように思われる星爺だが、この映画で張柏芝も一気にブレイクしたのはいうまでもない。当時１８歳という彼女だが、なぜか映画の中でたばこを吹かしている。香港ではいったい何歳から喫煙可能なんだろ？(^^；)

セリフからして、聞いているこちらのほうがはずかしくなってくるくらい超恋愛映画しているこの作品、笑いが全くないというわけではない。が、今までの周星馳作品とは違った彼の魅力がでているので、すごく見ていて楽しくなる作品。正直いって、初めて見た時は、なにこれ？状態だったが、何度か繰り返してみるたびに、これはすごい恋愛ものであるということに気づくだろう。ぜひ何度か繰り返してみてほしい。繰り返して見れば見るほど味の出る、まさにスルメ映画である。(笑)

ちなみに余談だが、この映画を契機に、５年ほど付き合っていた莫文蔚と別れてしまったとか。原因はいろいろといわれているが、一説によると、この作品で張柏芝とのキスシーンがすごく長かったから、ともいわれている。真実やいかに！？