Movie Review 2001

ここでは、私が最近見たアジア映画の感想をＵＰしていこうと思います。
感想はあくまで私個人が感じたことを書いているので、辛口もあり。
※できる限りネタバレには気をつけますが、物によっては若干あるかも・・・。ご了承ください。。
※評価:★★★★★満足！　★★★★上出来　★★★普通　★★物足りない　★もう見たくない

33. 星願あなたにもういちど / 星願 (1999/HKG) ★★★
cast : 張柏芝, 任賢齊(リッチー・レン), 蘇永康, 曾志偉
staff : 馬楚成(ジングル・マ)(導演)
泣ける映画として超話題になっていた作品のため、期待しすぎたところはあるが、なかなか面白かった。ただ、この手の映画はどこまで登場人物に共感できるかによって映画の感じ方は大きく違ってくるだろう。個人的には粗削りな部分が気になり、映画の冒頭ではいまいち共感できなかったが、セリフがなかなか心に響くものがあり、ラストに向けて展開の盛り上がり自体感じることが出来た。「恋愛ベーカリー」ですっかりファンになった蘇永康の好演がよい。やっぱりこの人いい！(2001/12/18)

32. 恋愛ベーカリー / 愛情白麺包 (2000/HKG) ★★★
cast : 李嘉欣(ミシェル・リー), 呉鎮宇(ン・ジャンユー), 蘇永康(ウィリアム・ソー)
staff : 羅傑承(スティーブン・ロー)(導演)
この映画を見る人はミシェルのファンやジャンユーのファンが結構いるかもしれないが、見終わって一番私が惚れたのは蘇永康。劇中呉鎮宇よりもまっすぐな恋愛をしているかもしれない。かつしっかりと笑いもとるキャラクター。人目ぼれした女性を追いかけてフランスまで行っちゃうなんて彼しかいないかも。個人的にはぜひ「その後」を見てみたいが、まぁそれはこの映画を見た人のイマジネーションの世界ということで・・・。アクション系が多い呉鎮宇が挑戦したラブストーリーは、見ていてこちらが照れくさくなるようなシーンもがんばって演じているからすごい。もともとコメディ系の作品でも力を発揮しているので、それほど違和感はないだろう。しかし残念だったのが、一番共感したかったミシェル演じる主人公には個人的に共感できず・・・。それだけがもったいなかった。ラストは適度なひねりで完結したので、後味のよいラストに仕上がっている。舞台挨拶で生ミシェルを見たが、やっぱりきれい！さすがミス香港。(2001/10/28)

31. 恋はいつも嘘から始まる / 過埠新娘 (1988/HKG) ★★
cast : 洪金寶, 張曼玉, 張堅庭
staff : ???
サモハンとマギー共演とくれば、かなり期待してしまうが、結局最後はサモハン映画になってしまった。意味のないシーンが多すぎるし、サモハンがマギーに魅かれるのもよくわからない（もちろんマギーはなかなかキュートなキャラクターなのだが）。若き日のマギーはかわいいのだが、泥レスをやる彼女を見るとほんと痛々しい・・・。こんなことまでさせられたのに、本当にサモハンに恋するの？タイトルから読み取ると、結局最後に恋が生まれるように思えるが、どうみてもサモハンだけの片思い（それさえも怪しい）で、マギーはお金目当てじゃないか？(笑) うーん、90年作品ということで、この時代の作品はどれをみても面白いはずなのだがこの作品はいただけなかった・・・。残念！(2001/09/22)

30. 彼女はシークレット・エージェント / 麦姐、イ尓好ロ野！ (1990/HKG) ★★★
cast :鄭裕玲, 梁家輝, 張堅庭(アルフレッド・チョン)
staff : 張堅庭(導演)
中国返還以前に作られた作品で、本土ネタがちりばめられているのが興味深い。映画自体は中だるみで退屈になりがちだが、その分ドゥドゥの気前のいい演技で楽しませてくれる。彼女はこの作品で香港アカデミー主演女優賞を獲得している。いつもおとぼけ役の多い梁家輝だが、この作品ではわりと落ち着いた演技を見せている。惚れた・・・。(笑) (2001/08/30)

29. 新北京物語 / 混在北京 (1995/CHN) ★★★
cast : 劇雪, 張国立
staff : 何群（フー・チュン）(導演)
大陸で問題となっている様々な事柄をさりげなく盛り込んだ問題作。作り自体はシンプルだと私は思ったが、メッセージもあり、言おうとしていることはわりと伝わってきた。女性が思うように社会に貢献できないなどといった問題が今でも残っている大陸だが、それでも急激に発展していることはこの映画から伺える。(2001/08/05)

28. ギャンブリング・ゴースト / 洪福斉天 (1991/HKG) ★★
cast : 洪金寶, 孟海, 黄霑, 葉榮祖, 利智
staff : 高志森 (導演), 孟海 (武術指導)
洪金寶作品は、ジャッキーとの共演作かデブゴンくらいしかTVで見たことがなかったが、正解かも。彼が主演の映画で面白い作品といえば、もしかしたらそれくらいかもしれない。この映画はサモハンが３役くらい演じているのだが、どうみてもサモハン。演技力がどうこうというよりも、サモハンはサモハンなのである。何役やっても同じなので、無理に変装しているのが痛々しい。(笑) 今となってはJet Liの妻となった利智も出演しているが、あまりいい役ではない。(2001/07/14)

27. あの愛をもういちど / 我愛太空人 (1988/HKG) ★★
cast : 甘國亮, 恬[女/丑], 曾志衛, 繆焉人
staff : 羅卓瑶（クララ・ロー）(導演)
エリック・ツァンはキャラクターに恵まれないと何だかいらいらしてくる。この作品の彼のキャラクターは一体何のために用意されているのか不明。なぜヒロインの恬[女/丑]がツァンと結婚したのかが不明である。その他にもキャラクターに対して不明な点が多々あり、なかなか映画にのめり込めなかった。しかし面白いのは太空人を主人公としたこと。中国への返還を意識した作品で、劇中主人公が日経会社の面談を受けるシーンで日本語を披露しようとすると、北京語で返されるなど、興味深いシーンもちりばめられている。ラブストーリーとしては退屈だったが、見どころがないわけではない。(2001/07/08)

26. 河 / 河流 (1997/TWN) ★★★
cast : 李康生, 苗天, 陸筱琳, 陳昭榮
staff : 蔡明亮（ツァイ・ミンリャン）(導演/編劇), 楊碧瑩/蔡逸君(編劇)
出だしはなかなかよかったのだが、ラストに向かうに連れちょっと理解に苦しむ作品だった。家族が徐々に交流を深める作品だと思っていたが、結局最後はとんでもない方向に・・・。間の取り方などが独特で、慣れない人には退屈に感じてしまう部分もあると思う。理解に苦しんだ私には結構長い２時間だった。(2001/07/08)

25. フルムーン・イン・ニューヨーク / 人在紐約 (1989/HKG) ★★★
cast : 張曼玉, 張艾嘉, 斯琴高娃（スーチン・ガオワー）
staff : 關錦鵬(導演)
ニューヨークを舞台にした香港映画はわりとあるのだが、最近自分が見た作品の中で特に気に入ったのは「誰かがあなたを愛してる」。この作品とは違った視点でニューヨークを映し出している。ストーリーはそれぞれの悩みを持った３人の女性のお話で、内容的にはシビアな現実問題を取り上げたりもしている。ちょっと煮え切らない部分が残るのも事実だが、ニューヨークで暮らす中国人女性の絆を描いた作品とすれば、興味深い仕上がりだ。(2001/06/23)

24. 上海エクスプレス / 富貴列車 (1986/HKG) ★★★
cast : 洪金寶, 元彪, 鍾鎭濤, 曾志偉, 關之琳, 呉耀漢
staff : 洪金寶(導演)
ご存知、サモハン監督・主演の超娯楽映画。当時人気のあった超豪華スターたちが共演しており、まさにこの時代の香港映画が好きな人にはたまらないメンツ。ストーリー自体はまずまずだが、サモハン班が見せるアクションと、主人公演じるユン・ピョウが面白い。若い頃の林正英も登場しており、とにかく豪華である。ウィナーズのケニーＢも出演。なぜか大好きです、この人。(笑)(2001/06/23)

23. チャイニーズ・ゴースト・ストーリー / 倩女幽魂 (1987/HKG) ★★★
cast : 張國榮, 王祖賢, 午馬
staff : 程小東(導演), 阮継志(編劇)
この映画もある意味香港映画を極めるためにはみるべき映画の一つなのかもしれない。ういういしい張國榮と、一躍ヒロインとなった王祖賢の記念すべき共演作である。個人的には午馬の強烈なまでのキャラクターが気に入っている。ストーリーは超シンプル。女幽霊に若者が恋に落ちるというラブストーリーとなっているのだが、その分アクションで魅せてくれる。華麗なワイヤーアクションはもちろんのこと、当時としてはかなり高度な技術と思われるSFXもハリウッド映画に負けないすごさを持っている。製作を担当したのは徐克とあって、さすがといえよう。それにしても冒頭シーンからなんだかレスリーのおとぼけが始まってて、ちょっとウケてしまった。今見るとかなり笑ってしまうが、あの手の笑いも香港映画ならではといった感じだ。未見であれば一度は見ることをオススメしたい。(2001/06/13)

22. JSA / JSA (2000/KRA) ★★★★
cast : ソン・ガンホ, イ・スヒョク, イ・ヨンエ
staff : パク・チャヌク(監督)
緊張した関係を保っている韓国と北朝鮮が、映画を通して南北統一を訴える。さらに映画自体の完成度もかなり高く、最近波に乗っている韓国映画のすごさを実感せざるを得ない。とにかく冒頭から一気に映画にひきずりこまれる。脚本がとにかくわかりやすく出来ているので、見ていて話の展開に簡単についていけるのだ。話題となった「シュリ」はハリウッド映画を真似しただけという印象を受けたのだが、この映画は自国がおかれている立場を背景に、音楽、セリフ、そして演技のすべてを注いで自分たちのメッセージを主張する。またキャストもかなりの演技力なので、より真実味がでてくる。これは世界で認めらて当然の価値がある映画だろう。映画を見る前に背景となる南北の関係を少しでも勉強しておけばよかったと少し後悔・・・。(2001/06/01)

21. 誰かがあなたを愛してる / 秋天的童話 (1987/HKG) ★★★
cast : 周潤發, 鐘楚紅(チェリー・チェン), 陳百強(ダニー・チャン)
staff : 張婉[女][亭](メイベル・チャン) (導演), 羅啓鋭(編劇)
周潤發がこのようなロマンスものに出ていたとはちょっと意外。もちろん、香港では彼の人気はものすごく高かったわけだが、実際彼の映画を見ると「男たちの挽歌」を思わすような作品が多い。そんな中シンプルなラブストーリーに出演してくれたのは非常にうれしい。大筋のストーリーは単純明解なんだが、周潤發が恋におちていくところがよく描かれていた。舞台はなぜかNYなのだが、それはあまり必要なかったかもしれない。ところどころ映るマンハッタンの景色は確かにきれいだったのだが・・・。彼女にプレゼントを買い、うれしそうに駆け足で彼女の元に走る周潤發は非常に魅力的であり、監督のセンスに魅せられるところでもある。 (2001/05/20)

20. 相続ゲーム / [イ尓]情我願 (1986/HKG) ★★
cast : 周潤發, 鄭裕玲, 彭健新, 曾江
staff : 陸劍明(ジェイミー・ラウ) (導演)
周潤發のコメディとしてはいまいちな展開だった。というのも周潤發が出てくるシーンが少ない。これはもともとヒロインが主人公なんだろうか。ストーリー展開は残念ながらあまりよくない。先がみえるしいきなり登場する周潤發とヒロインの関係もいまいちはっきりさせないままラスト突入！これは明らかに脚本をしっかり書いていない証拠だ。(笑) おそらくその場でストーリーを考えたんだろう。周潤發のコメディとして、先に「大丈夫日記」を見てしまったので物足りなく感じてしまうが、周潤發の魅力で許せてしまう作品である。 (2001/04/21)

19. フォーエバー・フィーバー / Forever Fever (1998/SIN) ★★★★
cast : エイドリアン・パン, メダリン・タン, アナベル・フランシス
staff : グレン・ゴーイ (監督)
シンガポール映画がこれほどまでよく出来ているとは驚いた！といってもシンガポール映画をみたのはこれが初めてなので比べようがないのだが。それにしても全編に流れるディスコナンバーが映画を盛り上げているのは確かだ。インチキトラボルタもかなり笑える。歌もすべて吹き替えだったが、果たして曲を使用する許可を取ったのかさえも心配である。(笑) そんなかなり怪しい雰囲気もまた面白さを倍増させる。ストーリー展開はお決まりなんだが、不思議とアジア映画でこういう展開をみると新鮮に感じてしまうのは私だけだろうか。嫌みのない生活感があふれていて、それが欧米映画とは違うリアリティを醸し出しているのだと思う。誰でも、誰かに又は何かにあこがれを抱いたことがあるはずだ。それがこの映画ではブルース・リーでありトラボルタであるのだ。トラボルタのようになろうとダンススクールに通い出す主人公のけなげさは、現代にはあまり見受けられないのではないだろうか。最後にブルースに戻ったのはうれしかった！シンプルな気持ちがいろいろな角度から読み取れる映画。まさにピュア！(*^^*) (2001/04/21)

18. 美術館の隣の動物園 / Art Museum by the Zoo (1998/KRA) ★★★★
cast : シム・ウナ, イ・ソンジェ, アン・ソンギ, ソン・ソンミ
staff : イ・ジョンヒャン (監督/脚本)
この手の韓国映画はやはりハン・ソッキュがブームの火付け役になったのだろうか。「８月のクリスマス」でハン・ソッキュと共演したシム・ウナが主演の恋愛もの。普通の恋愛ものなのだがこれだけ味が出ているのは監督の腕の見せどころかもしれない。監督は女性で、シナリオという主人公２人の共通点を通してお互いの理想や価値観、恋愛観をさりげなく表現している。何でも言葉で説明付けしてしまうハリウッド映画にはない、アジア人独特の心の会話が描かれた作品。オススメです。 (2001/04/18)

17. プロジェクトＡ / Ａ計劃 (1983/HKG) ★★★
cast : 成龍, 洪金寶, 元彪, 太保
staff : 成龍 (導演/武術指導)
もちろんこの映画は何度となく見たことがあるが、再度見直してみると新鮮さを感じる。ジャッキーは相変わらずだが、何といっても洪金寶と元彪は若々しい！また脇役で何度となく見かける太保も出演している。ストーリー自体は相変わらずの作品だが、やっぱりジャッキーは小道具の使い方が上手！今回も細い道を自転車で逃げるシーンがあるが、いたるところに見せ場を作っている。それにしてもこの時代の洪金寶はいい味出している。何歳になってもそれほど変化がない成龍は相変わらずだが、洪金寶はさすがに若い。「カンフー・カルト・マスター」の洪金寶とはまさに別人のようだ。(笑) 残念ながら一緒に借りてきた２作目の方は時間がなくてみれなかったので、近いうちにまた借り直そうと思っている。 (2001/04/14)

16. ゴッド・ギャンブラー完結編 / 賭神II (1994/HKG) ★★★★
cast : 周潤發, 梁家輝, 謝苗, 邱淑貞, 張敏
staff : 王晶 (導演)
ビデオではいろいろとシリーズ化されているが、周潤發主演の賭神シリーズは実はこの２作しかない。やっぱり賭神は周潤發でなければ！内容自体は前作「ゴッド・ギャンブラー」に少しつながっているので、１作目も見ておいた方がいいと思われるが、１作目のおばか路線に比べたら、こちらは基本的にシリアスで通している。ヒロインとのちょっとしたかけあいが雰囲気を和ませているのが効果的。謝猫くんも出演していて、意外と手の凝った作品になっている。このシリーズ、周星馳ものもヒットしたため、その後いろいろなシリーズがでたが、やっぱり本家本元が一番面白いと感じたのは私だけだろうか。(*^^*) (2001/04/14)

15. 男たちの挽歌II / 英雄本色II (1987/HKG) ★★★
cast : 周潤發, 狄龍, 張國榮, 石天, 成奎安(シン・フイオン)
staff : 呉宇森 (導演)
さすが香港。前作で死んだはずの出演者が続々と復活し、役名を変えて登場させているではないか！また主人公よりも印象的だった周潤發演じるマーク。前作を見ただけだとこれで終わってしまうのか、と思ったくらいだが、このように復活させてしまうとはさすが！でも作品的には楽しめる。前回同様、呉宇森監督のアクションシーンが何ともすごい。ここまでいくと、ちょっとやりすぎだろうと思われるが、まぁそこは呉宇森なので許すとしよう。私は３人がイスに座るラストシーンが好き。「男たちの挽歌」の続編として恥かしくない作りだと私は思う。あ、そういえばハト・・・出てきたかな・・・！？気づかなかった。(笑) (2001/04/05)

14. クワイエット・ファミリー / The Quiet Family (1998/KRA) ★★★
cast : コ・ホギョン, イ・ユンソン, ソン・カンホ, チェ・ミンシク,ナ・ムンヒ
staff : キム・ジウン(監督/脚本), キム・ソンボム(製作)
韓国映画。脱サラで人気のない山のふもとにペンション経営をスタートさせた一家のお話。ひょんなことから殺人？が起こるのだが、ペンションの評判を落すまいとその殺人を隠蔽しようとしたことから悲劇は始まる。サスペンスなのかコメディなのかわからない、中途半端な作品ではあるが、なかなかコミカルに仕上がっている。それほど怖く作ろうとしていないせいか、それが余計にユーモアのセンスを引き立たせる。とにかくこれは綿密に計画された脚本と、すきのない監督のカメラワークが見事にマッチした作品だと思う。 (2001/04/05)

13. クレイジー・イングリッシュ / 病狂英語 (1999/CHN) ★★
cast : 李陽（リー・ヤン）
staff : 帳元（チャン・ユアン）(導演)
フィクションかと思っていたらドキュメンタリー映画だった。中国で英語の普及活動をしている主人公にスポットを当てた、徹底した英語教育。とにかくすごい。しかしこの映画の中でひっきりなしに出てくる日本への批判がどうも納得いかない。ああいった集団活動の場で日本への敵対心をあからさまに利用している部分は、どうも恐ろしい部分がある。確かに、中国人の日本への好感度といえばあまりにも低いと思われる。しかしそれを集団活動の場で公言するのはどうだろうか。主人公のような影響力、説得力、そしてビジネス力を持つ人は間違いなく自分が影響を及ぼす範囲をわかっているはず。その中であのような発言をするのはどうだろう。。。それにしてもとにかく彼らのパワーはすごい。英語を話せるようになる中国人がこれからもますます増えていくことと思われる。日本も何らかの対策をしなければ、間違いなく国際的に遅れを取ってしまうだろう。主人公は、中国の小林克也といった感じで面白かったが、映画全体としてはドキュメンタリーなのでちょっと退屈。 (2001/04/03)

12. リトル・チュン / 細路祥 (1999/HKG/JPN) ★★
cast : 姚月明（ユイ・ユエミン）, 麥惠芬（マク・ワイファン）
staff : 陳果（フルーツ・チャン）(導演)
ロカルノ映画祭で銀豹賞を受賞しているこの作品は、フルーツ・チャン監督の香港三部作完結編だそうだ（「メイド・イン・ホンコン」「花火降る夏」に続く）。香港の下町に住む少年と不法移民の少女のふれあいを通して、現在の香港の一部分を描いている。ストーリーはもちろん悪くないのだが、今一つ入り込めなかったのは、どうも出演者たちが私のつぼにはまらなかったようだ。しかし出演者たちは全員素人だそうで、１ヶ月くらい演技指導を受けただけという。現在の香港人は何でもお金。お金のことしか考えていないといっても過言ではないくらい。それが劇中痛いほど伝わってくる。中国に返還されてからの香港を内面から映し出した作品であり、興味深いものではある。撮影に使われたレストランは実際テンプル・ストリートにある。それにしてもこの映画にはちらほらとかなり品のないネタが盛り込まれている。ジョークのつもりかもしれないが、ディープ過ぎて笑えなかった。(^^;) (2001/04/01)

11. グリーン・デスティニー / 臥虎蔵龍 (2000/HKG) ★★★
cast : 周潤發, 楊紫瓊, 章子怡, ラン・シャン
staff : 李安 (導演)
それにしてもなぜこの映画がアメリカで大ヒットしたのだろう。意外といまいちなワイヤーワークのおかげだろうか、それとも主人公を演じたチャン・ツィイーのかわいさだろうか。確かにこの映画は面白いのだが、特別目新しいトピックスもなく、ワイヤーワークも非現実的で、異常なほど軽い。しかしそれがチープに見えないところがアン・リー監督の腕の見せ所ではないだろうか。ストーリーに重点をおいた彼の作品作りは従来と同じ。残念ながら彼のハリウッド作品は未見であるが、私が見た限りの彼の台湾作品はいつもストーリーに重視し、かつ映像でも楽しませてくれる。また文化を見せることで、監督としてというよりも台湾人としての社会の役割さえもしっかりと果たしている。私がこの作品で目を奪われたのは、主人公のツィイーではなく、グリーン・デスティニーという剣を愛する人のために一度手放した男・チョウ・ユンファ、自分の愛を自覚しながらも必死に隠し通そうとするミシェル・リーの掛け合い。特に派手な演出はないが、最近の映画には珍しい純愛ものに見えてしまった。アクションにせよ何にせよ、過激なシーンがますます増えていくこの頃、妙に新鮮に感じた作品。もしかしたら欧米人もここに魅かれたのかもしれない。李安作品には欠かせないラン・シャンおじさんも登場している。 (2001/03/24)

10. 男たちの挽歌 / 英雄本色 (1986/HKG) ★★★★
cast : 狄龍, 周潤發, 張國榮, 李子雄（レイ・チーホン）
staff : 呉宇森(導演,編劇), 徐克(監製)
これを見なければ呉宇森、周潤發を語ることはできない！そこまで言われたらとりあえずは見てみるしかない。(笑) ということで、さっそくレンタルしてみた。冒頭から香港映画らしい（しかもこの時代の）においがぷんぷんする作品だったが、ドンパチが始まるととにかくすごい緊迫感だ。主役は狄龍で、周潤發は彼を慕う脇役なのだが、すっかり主役を食ってしまうほどの強烈な印象を冒頭から与えてくれる。そしてここから呉宇森のスタイルが築かれたといっても過言ではない２丁撃ちがみどころの一つだ。ちなみに銃はほとんどが本物を使用したそうで、銃撃戦に一番お金を費やしたとか。だからあれほどの緊迫感が出たのかもしれない。とにかくいまさらストーリーがどうこうという作品ではなく、香港電影、また香港ノアールものの代表作品として絶対に押さえておくべき作品であることには間違いない。くれぐれも周潤發が脇役だということを忘れずに。(笑) それにしても英語タイトルは"A Better Tomorrow"から邦題「男たちの挽歌」が出てくるとは、すばらしいセンス！ (2001/03/18)

09. レディ・スクワッドII / 神勇飛虎霸王花 (1989/HKG) ★★
cast : 胡慧中, 呉君如, 馮淬帆, 許冠英
staff :
前作同様、設定は同じ。今度はやっと団結力が固まったチームに新人が配属されるというお話。いかにも香港映画らしい「つなぎ方」（かなり無理矢理(笑)）。作品の面白さとしては、前回の方が楽しかったものの、今回もわりと同じようなノリなので、それなりに面白い。また、前回に増して強烈な個性を見せつけてくれる呉君如の魅力も全開だ。シリーズ化したこの作品だが、どうやら胡慧中が出演しているのはこの作品で終わりのようである。残念！(+。+) (2001/03/18)

08. レディ・スクワッド / 霸王花 (1988/HKG) ★★★
cast : 胡慧中, 呉君如, 馮淬帆, 許冠英
staff :
香港電影お得意のコメディ。女性だけの特殊部隊を警察に設置することになり、お互いいがみ合いながらも徐々に団結して、最後には任務を無事に果たすまで成長するという女性特殊部隊のお話。ストーリーは香港映画ならではといった感じだが、みどころは何といっても女優たち。とにかく豪華！また美人揃いというのもあるが、中には呉君如のようなおとぼけたキャラクターもおり、それがまた笑える。この映画はシリーズ化され、ビデオで見ることの出来る２作品(PartI,II)の他にもまだまだあるそうだ。女優陣の魅力と彼女達のアクション、そしてどうでもいいようで見逃せない男性陣との恋愛模様など、エンターテイメント性たっぷりの作品。実は結構オススメっす。(笑) (2001/03/17)

07. ゴッド・ギャンブラー / 賭神 (1989/HKG) ★★★★★
cast : 周潤發, 張敏, 呉孟達, 劉徳華, 王祖賢, 向華強(ヒョン・ワーキョン)
staff : 王晶 (導演)
とにかくカッコイイ！といっても、いきなり冒頭からおとぼけになってしまう周潤發が魅力的な作品。本当にビシッと決めてカッコよくなるのはラストしかないのだが。。。冒頭でスマートに登場させておきながら、いきなり記憶喪失になるという突拍子もないストーリーと、周潤發のクールな演技がみられるのはこの作品だけ！周潤發のクールさとユーモアたっぷりなところが両方楽しめる作品である。周潤發自体もかっこいいのだが、それ以上に賭神と呼ばれているコウのキャラクター自体がとにかくクールだ。この作品でコウの一番弟子となったナイフ（劉徳華）は「賭侠」に登場しており、周星馳と共演している。邦題ではギャンブラーシリーズがいっぱい出ているようだが、これが元祖となる。とにかく周潤發がすごい！この作品を見て初めて彼がなぜ人気があるのかを知ったほど。 (2001/02/25)

06. 熱帯魚 / 熱帯魚 (1995/TWN) ★★
cast : 林嘉宏, 席敬倫, 林正盛
staff : 陳玉勲(導演)
この映画を観ると、台湾も日本と同じく受験国ではないかと思われる。教育の水準はわりと高い台湾では、高校受験のことしか頭にないのだろうか、と思えるほど受験という「一大イベント」に執着したエピソード作りが面白い。カメラワークも面白かったが、この映画の魅力は何といってもストーリーだろう。全体的な流れよりも、ひとつひとつのエピソードが何とも笑える。受験生を抱える学校側、両親たち、また逆に好奇心旺盛な時期なのにも関わらず、勉強ばかり押し付けられる中学生との、それぞれの立場から、勉強の大切さをさりげなく教えてくれる作品でもあると思う。監督が何を言おうとしているかは見る人それぞれ、感じ方が違うだろうが、私は学問という、人生を楽しむひとつのプロセス、また自己を知るひとつのプロセスの大切さを訴えたかったのではないかと感じた。 (2001/02/25)

05. ヒットマン / 殺手之王 (1985/HKG) ★★★
cast : 李連杰, 曾志偉, 梁詠[王其], 任達華
staff : 董[王韋] (導演)
出だしはやっぱりりんちぇの映画だな～と思ってみていたが、すぐに曾志偉が登場してし、すっかり彼の映画になってしまった。曾志偉は好きだがいつも主人公を食ってしまう傾向にあり（演技が上手いというより大げさ過ぎて・・・(^^;)）、りんちぇの魅力をかき消してしまっている部分はあるが、作品的にはそこそこ楽しめる内容だった。しかし悪役で登場する日本人たちがあまりに無意味で、相変わらず脚本への不満は残るが・・・。梁詠[王其]との共演はうれしく、それほど登場シーンはないが存在感を残す。また任達華のサポートはうれしいところ。無理のある役どころも彼が演じれば全然ＯＫ！(爆) ということで、やはりりんちぇ映画は何でも楽しめます♪(2001/02/11)

04. 人頭豆腐湯 / There is a Secret in my Soup (2000/HKG) ★
cast : 陳昭昭, 呉岱融, 海俊傑, 邵傳勇, 湯盈盈, 王敏徳
staff : ,劉俊輝(監製)
香港で実際に起きた殺人事件をベースにしたホラーもの。ホラーなのでストーリーに期待するべきではないのだろうが、それにしてもあまりにだらだらとした作品で締りがない。劇中ずっと集団リンチの映像を映しているだけのようで、ところどころ入るこれまた意味のないセクシーシーンが余計に腹が立つ。不快になるので個人的にオススメしたくない作品。(2001/02/11)

03. 溶屍鬼 / 溶屍奇案 (1993/HKG) ★★
cast : 呉鎭宇, 葉童, 黄秋生, 梁思敏
staff :
ビデオジャケットが黄秋生のこわ～い顔だったため、ホラーかと思いレンタルしてみた。しかし黄秋生自体は友情出演で、劇中ちょこちょことしか出てこなかったのが寂しい。しかも映画の内容もホラーではなく殺人事件の真相をつかもうとする裁判ものだった！(￣□￣;)!!よく調べて見ると、どうやら実際に香港で起こった事件を映画化したものだそうで、問題になったのは死体を塩素かなにかで溶かした、という部分。しかしこの作品の中ではその部分を強調せずに、裁判で真実はなんなのか、という視点から見せている。呉鎭宇の主演だったのが唯一楽しめたものの、ストーリーはどこかでみたことのあるもので、映画がちょっと進むと先が見えてくるが、劇中でははっきりと真実を明かさないため、最後に無理矢理黄秋生が登場して結論を細かなところまで解説している。なんだかな～。解説するなら最初から劇中で見せてしまえばいいのに。ラストもちょっと当たり前に終わってしまい、新鮮味にかける作品だった。イップトンが呉鎭宇に魅かれる理由が全くわからない。ある意味とことん香港映画かもしれない。(笑) (2001/02/11)

02. 霊幻道士７：ラスト・アクション・キョンシー / 新<彊>屍先生 (1992/HKG) ★★
cast : 林正英, 錢小豪(チン・シンホウ), 許冠英, 呉君如
staff : 劉觀偉(導演)
キョンシーが帰ってきた！記念すべき霊幻道士１作目のメンバーで作られたところがうれしい。毎度登場する林正英も相変わらず笑わせてくるし、許冠英のおとぼけぶりも健在だ。やっぱりリッキーがいないとキョンシーどころか香港映画は笑えない(笑)。ストーリー自体は悪くはないが、１作目よりはやはり衰えた様子。見どころは林正英と呉君如のコンビ。呉君如は並外れたコメディアンで、まさに命をかけて演技しているようだ。どうでもいいけどこの邦題からするに、配給会社はプロモーションをあきらめたんだろうか。。。今でも続くキョンシーブーム。残念ながら林正英は他界してしまったが、まだまだ新作を作りつづけてほしいシリーズものの一つだったりする。(2001/02/11)

01. 七福星 / 福星高照 (1985/HKG) ★★★
cast : 成龍, 元彪, 洪金寶, 劉徳華, 曾志偉, 呉耀漢, 馮淬帆, 胡慧中
staff : 洪金寶(導演), 元彪(武術指導)
御存知、福星シリーズ２作目。日本が舞台だった大福星よりは個人的に楽しめた。アクションよりも洪金寶率いる５人組みチームのおとぼけぶりが一番面白い。今回は洪金寶、元彪、成龍に加えて劉徳華も参加しているので、まさに90年代香港映画ブームの火付け役たちが勢ぞろいしている。ゲスト出演で呉君如が出ているのはうれしい。また、映画のラストではちょっとしたおまけつき。有名人がこぞって登場している。これらの有名人を何人知っているだろうか？ちなみに私は太保と陳百祥くらいしかわからなかったが・・・。(笑) (2001/01/07)

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